アイデアをひろう

不登校支援センターパルクでは,子どもの自発的な発言を大切にします。不登校になってしまった子や不登校傾向にある子は自分の気持ちと周囲との調整が苦手な子が多いです。そのため,自分の気持ちを閉じ込めて固まってしまう。そして,ある時あふれてしまう。そんなイメージです。少しずつでも周囲と折り合うことができれば,そんなに我慢しなくても乗り越えられるのになと思います。不登校になる子がまじめでやさしくいい子が多いのもうなずけます。自分を閉じ込めてしまい失敗を受け流せず傷ついてしまいます。

パルクではそんな子どもが話したくなる空間をつくる工夫をしています。子どもの発想や言葉を大切にしながらそれを受け止めるという作業を繰り返し行っていきます。学校ではどうしても指示が多く,それに一生懸命ついていこうとしてバランスがとれなくなった子どもたちが自分の言葉で,自分の気持ちを話せる環境づくりが大切だと考えているからです。

そのためには,ある一定の枠組みの中で活動が繰り返されることで得られる安心感が基盤となります。活動の基準が決まっていてそれをすませば自由時間という枠組みの中で生活リズムを整えます。そして指導者があれこれ質問攻めにしない。むやみに心の中に踏み込んだりしない。ことで少しずつ子どもの心を溶かしていきます。

今回は,「パルクには日にちがわかるものがないね。」とつぶやいた子が「じゃあつくろう。」といって自分が作ってくれた日めくりです。朝の会で活用しようねといっています。 友達が自由時間に描いた絵がとても素敵だったのを見て,「これ。すごい好き。」と言ってホワイトボードに飾っていました。子どもたちの心の交流が「心の元気」を回復させます。子どものアイデアをひろう作業はパルクがとても大切にしている作業です。