2024年度利用者はに17名でした。そのうち11名が学校へ行くことになりました。パルクでは、学校へ行くステップも準備もしません。でも、子どもが自然と「学校へ行く。」と言い始めます。「なんか行けそうな気がする。」というのです。そこで周囲の指導者は「ふ~ん。」と答えます。決して大喜びをするわけでもなく、勇気づけるわけでもなく、「自分で決めたんだね。」と一言かけるだけです。不登校になることも学校復帰することもすべては自己決定です。周囲の大人はそれを認めながらハラハラしながら支援していきます。

これも、これまで多くの体験活動にご協力くださった企業のみなさま、ボランティアのみなさまのおかげと感謝しています。いろいろな立場の方と多様な活動を経験し、多くの大人と出会い、「心の元気」を回復させた子どもたちは自然と学校へと向かいます。本当は学校へ行きたかったのだと思います。その晴れやかな顔をみると、時間がかかっても子どもが安心できる場と心を回復できるカリキュラムがあれば、前進できると実感しています。

まだまだパルクを必要としている子がたくさんいます。そんな子どもたちにまたたくさん出会えたらいいなと思います。「こんな経験ができて不登校になってよかった」と思えるように支援を続けていきたいと思います。

一般社団法人パルクの代表理事をしております小田原かおりです。
令和4年9月「不登校支援センターパルク」を立ち上げました。不登校で家の中で過ごすことが多い小学生の子どもを対象に,居場所を作り,学校へ自分の力で復帰することを目指しています。
これまで36年間教育に関わり,そのうち9年間は小学校の校長を勤めてきました。子供たちを取り巻く課題は多種多様で悩みのない子どもはいないというのが私の実感です。もちろんそれが子どもというもので,それがあるから成長するという大切な経験です。失敗や成功を繰り返しながら少しずつ成長していきます。その過程を支援し,成長を見守るのが周囲の大人の役割ということになります。不登校もその一つです。

パルクでは、発達段階に応じた学習内容を提供しています。小学生コースでは、ゆとりある学習内容で、人間関係力や自己決定力を高めていきます。自由時間をどのように過ごすか。友達と何をして遊ぶかなど自分で考え自分で行動する場面を多く取り入れます。

中学生コースでは、自分のペースで教科の学習を進めていきます。自分が何が得意で何が苦手かを考えながら学習に取り組みます。また社会で役立つコミュニケーション力をさまざまな角度から学習することによって人間関係力を高めていきます。

経  歴
安芸郡府中町立府中緑ヶ丘中学校 教諭 (国語)
安芸郡熊野町立熊野第一小学校 教諭
賀茂郡黒瀬町立下黒瀬小学校 教諭
安芸郡熊野町立熊野第四小学校 教諭
呉市立五番町小学校 教諭
呉市立呉中央小学校 教諭
呉市教育委員会 学校教育課 指導主事
海田町教育委員会 学校教育課 課長
安芸郡熊野町立熊野第三小学校 校長
安芸郡熊野町立熊野第二小学校 校長
安芸郡府中町立府中南小学校 校長

所有資格
教員普通免許状 【小・中(国)・高(国)】
公認心理師
特別支援教育士
不登校支援専門士

メッセージ
不登校は個人や家庭の問題ではありません。社会全体で考えていくべきことととらえています。一人で悩まないで子どもの未来のために一緒に考えましょう。